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仕掛けて仕損じなし!「『必殺仕掛人』ほか『必殺シリーズ』」

張り詰めた空気

相対する男ふたり

ひとりは剣を突きつけている

突きつけられた男は問う

「なぜ止めなすったね?」

問われた男は答えて言う

「お主が針を止めたからだ」

剣を突きつけられていた男もまた、
相手の懐に一撃必殺の『殺し針』を突きつけていたのだった――――。


当ブログの読者諸氏におかれては、このシーンに見覚えがあるという方も多いことでしょう。

そう、このシーンは……


必殺シリーズ記念すべき第一弾『必殺仕掛人』の、これまた記念すべき第一話『仕掛けて仕損じなし』
鍼医者にして仕掛人・藤枝梅安と、浪人剣客・西村左内が、修羅場を通じて初めて互いを理解しあうシーンである!


…………。

え?『天誅参』?

力丸? 鉄舟?

ちょっと何を言ってるんだか私にはよく……。



はい、冗談です。
もちろんよく存じております。

郷田城天守閣で力丸と鉄舟が対峙するこのシーン。
清々しいまでに丸パク……もとい、オマージュでございます。
どれほどかというと、鉄舟が力丸に向けている針のポジションまで元ネタそのまんまという徹底ぶり!

まあ、『藤岡鉄舟』というキャラクター自体が、今からちょうど40年前の1972年に放送されたテレビ時代劇『必殺仕掛人』およびその原作『仕掛人・藤枝梅安』に登場する《仕掛人》という名の殺し屋『藤枝梅安』のパク……もとい、オマージュなのですが。

もっと言えば、《始末屋》という設定自体が以下略


さて、さっきからシカケニンシカケニンとうるせえ奴だなあ、とお思いでしょうが、
皆様にとっては、『必殺シリーズ』と言えば『必殺仕掛人』よりも『必殺仕事人』のほうが通りがよろしいかもしれません。
それはいい。仕方ないとも言える。

しかし、「必殺仕『掛』人? 仕事人のパクリ番組ですかぁ?」と思ったアナタ。
それだけはちょっといただけませんなぁ!

『必殺仕掛人』と『必殺仕事人』は同じ『必殺シリーズ』の番組で、
『仕掛人』は前述の通り1972年からの放送開始。
『仕事人』の放送開始はその7年もあとの1979年です。
「『仕事人』? ああ知ってる! 三味線の糸で吊り殺すやつでしょ!」と思ったアナタへ。
ちなみに、三味線糸で吊り殺す人が登場したのは『必殺仕事人』よりもさらに後の『新・必殺仕事人』なのです……。

必殺シリーズの中でも、この『新・仕事人』からは《後期》、それより前を《前期》と区切って、
「俺は必殺ファンだけど《後期》はつまらないから見ねえ!」
という方までいらっしゃる始末で……。
私は、そういって食わず嫌いする方は「損な奴よの」などと思って見てはおりますが、同時に
「気持ちは、わからんでもない」
とも、思っているくらい、世間の「必殺、イコール仕事人でしょ?」というイメージと、
必殺ファンを自負する者との価値観のズレというのは、はなはだ深いのです。

こんな話をするのも、去る27日、スカパーの時代劇専門チャンネルで、必殺シリーズ40周年を記念して放送された、『必殺仕掛人』第一話『仕掛けて仕損じなし』を見たからなのであります。
感想。もう、キレにキレている。キャラクターたちから画面を通して絶えず送り込まれる「カッコいい」の一言ではとうてい表せぬ刺激。
「時代劇なんてワンパターン、お約束厳守の年寄り向け娯楽でしょ? ダルいダルい」なんて平和ボケ(?)した心構えで見始めようものなら、それこそ一撃必殺、あの世へ送られてしまうことは必至!

南無阿弥陀仏。


この記事を読んで、「天誅のよしみもあるし、ちょっと必殺見てみようかな」と思ってくださった方がおられましたら、仕事/学校帰りに(もちろん暇な人もね!)TSUTAYAなんかでレンタルされてみることをオススメします。
いきなり有料放送に契約というのもハードルが高いでしょうし、ましてやDVDボックスなんて自分も買っていないようなものを他人に勧められるワケがないw

TSUTAYAでなんとか必殺コーナーを見つけられましたら、「必殺仕事人○○」ってのがズラーッと並んでるのが見えると思います。
その他にも、「なんかゴチャゴチャ長いこと書いてある」スペシャル編や「必殺!」とだけ書いてある劇場版のDVDもいっしょに並べてあるかもしれません。
さて、どれを借りようか、というところでございますが、
ここで、「必殺仕事人○○」の並びを端から端までじっくりと眺めていただきたく存じます。
そうしていると、なにか違和感を感じ始めるはず。
そこで目を凝らしてみると、それは『必殺仕事人』ではなく『必殺仕置人』であることに気付くはず。
これがアハ体験です(違)

で……私が「これから必殺みる!」という方に入門作としてオススメするのは『新・必殺仕置人』
『仕掛人』ほどのギラギラ感はありませんが、その分楽しく見やすいながらも、存分に「時代劇なんて老人の見る物」という価値観を木っ端微塵に粉砕してくれる逸品だと思います。
この『新・仕置人』を必殺シリーズ最高傑作として推す人も多いです。
また、天誅ファンにとっては鉄舟のもうひとりの元ネt……モデルといわれる『念仏の鉄』が登場する作品でもあります。
背骨を外してレントゲン映像が出ますw
おなじみ(かな?)八丁堀同心・中村主水も登場します。
悪を憎む気持ちは人一倍。でも世の中に正義のヒーローなんてありえない。
ならば「闇に裁いて仕置してやらあ!!」という、男たちの情熱。
そして、最後には罪人として無残に死んでいかねばならない哀しみ。
必殺のエッセンスがグイッ、とつまっています。

前に何も付かない『仕置人』もオススメですが、初めての方にはちょっと刺激が強すぎるかも……。
しかし、必殺の世界観に慣れてきたらぜひトライしてもらいたい傑作です。

ほか、『仕事人』『新・仕事人』といったところも十分オススメできる内容です。
でも『仕事人』はバカみたいに(失礼)長いので、「シリーズ物は一気に見なきゃ気が済まない!」という方はご注意ください。

逆にオススメできないのは、ローマ数字が付きだしてからの『仕事人○○』
この頃になると話もお約束、いわゆる「この金で恨みを……(ガクッ」な感じの話が多くなってきます。
また、時事ネタも多く取り扱われているため、現代人がみると結構しんどいです。
スペシャルについても同じ。
ただ、最後に悲しい曲が流れて主水が刺し殺すのに快感を覚える人なら、見ておいてもよいのではないかと。

劇場版については観ていないのでよくわかりません。

「2009」は……。
本放送を見て気に入ったというのでない限りは、手を出さぬほうが無難です、はい。

この他のシリーズ、たとえば『仕掛人』などについては、レンタルには回っていないようなので、観たければスカパーと契約するなりなんなりしてください。
それだけの価値はあります。

以上、長々と付き合っていただいてありがとうございました。
必殺をちょっと観た方なら、拙作『始末屋浮世草子』の演出部分は
「必殺の劣々々化コピー品」
であることがおわかりいただけると思います^^;

逆に言えば、もしかして「『始末屋浮世草子』の物語にちょっとでも魅力を感じる」アナタなら
『必殺シリーズ』には「絶対にハマる!!」ということ!
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